「義姉さん、また四国なのか」 ポストに届いた絵葉書を手に、江藤良彦はつぶやいた。兄政彦の妻美智子が差し出した私信の裏には、第何十何札所だかの甍(いらか)が映っていた。 兄夫婦はあれ以来、お遍路に凝っている。聞いていると、どうも兄はそれほど…
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